【Album Review】-<前迫潤哉 (Maesako Junya) / Oidon>-
前迫潤哉(Junya Maesako) : oidon
昨年10月に開催された、今井了介×CRESCENT MOON主催オーディション「THE☆ONE」で見事グランプリを受賞した、ニュージェネレーションシンガー【前迫潤哉】
そんな彼が、昨年12月にリリースしたフリーアルバム『Oidon』をご紹介。
ジャケット、アルバムタイトルからも伺えるように、同じく鹿児島出身の「西郷隆盛」を今作のテーマとし、西郷隆盛"顔負け"のチャレンジ精神が今作の起爆剤として使用されているが故に、終始繰り出される「あの手、この手」の手法に、驚かされる部分が多々ありました。
例えば、フリーアルバムだからこそ実現できた、サンプリングネタやトラックまんま使い。
さらに言及すれば、彼の今アルバムでの、上記のような自由闊達な様が、僕達リスナーを純粋無垢にさせてくれると言いますか。
普段僕は、結構"こだわり"を持って楽曲を聴いてしまいがちなんですけど、時にそのこだわりが邪魔になるのですよね。「この曲良いけど、このジャンルだからなー」とか・・・。
しかし、そんなことで良い曲と巡り合えないのは損な話ですし、今作を聴いて改めて、楽曲に対する「先入観」は持つべきではないなと思いました。
また、ジャケットだけを見ると、なんともコミカル要素満載のアーティストに見えるのですが。(笑)
そのコミカル要素は、このアルバムの収録曲に余すところなく反映されていて、彼の"音楽を楽しむ"という根本的な考えが、しっかりと示されているなと感じたのです。
「音を楽しむと書いて音楽」そんな説教じみた言葉を、これまでに何度も聞きましたが、実際にアーティスト自身がそれをリスナー側に、きちんと伝えられているかと言われると、少し言葉に詰っちゃうところが本音だと思うのです。(僕が、汲み取れていないだけかもしれませんが)
だからこそ、今作のアルバムを彼自身が楽しんで制作していく様子が伝わってきましたし、あえてフリーダウンロードにすることで、「親しみやすさ」を持たせたのではないかと思います。
特に17曲目の『Special Secret』は、「チャレンジ+コミカル」が伝わりやすい楽曲だと思いますので、是非ダウンロードを。
1: 最初でもSAIGO
2: Click (btlg. Madeon - Shriken)
3: VIERTY GIRL (btlg AVICII. - Levels)
4: Cry sour grape (Prod.RESTiBTRAX)
5:【skit】
6: A-Oh(Prod.Otowa)
7: 子どもPARTY
8: 前迫潤哉
9: THINK'BOUT IT!”Not again Remix”
10:【skit】
11: Coulda feat.ANMI (btlg 林ゆうき)
12:【skit】
13: My life
14: ONE or EIGHT (Prod.Gesubi)
15: Friday Night (Prod.RESTiBTRAX)
16: 最後もSAIGO
17: Special Secret
<Pick Up Review>
本人がブログで"取扱い説明書のような曲"と公言するように、パンチの効いたラインで今作への期待を一気に高めるのは、「Madeon / Shriken」を大胆に使用した『Click』
なんと言っても、現実と理想の狭間を行き来するような、「近未来的サウンド」が聴いている側に程よい刺激を与えてくれるので、僕にはもの凄く心地良かったです。
なんでしょう、こう聴いていると、自然と心が高ぶってくるのですよね。まるで"バーチャルな世界に連れて行かれた感じで。たとえ、サウンド的な面で「Madeon / Shriken」の力を借りたとしても、今曲をオリジナリティ溢れる作品に仕上げた彼に、拍手を送りたい。
You Tubeを始め、各方面で徐々に人気を上げてきている次世代プロデューサー「RESTiBTRAX」を迎えることで、よりフレッシュな楽曲に仕上がった『Cry sour grape』 楽曲そのものの聴きやすさもさることながら、彼の透き通ったハイトーンヴォイスが今曲の"清涼感"を、万遍なく引き出していることは間違いないですね。
近年の日本語ラップ業界では既に、欠かすことのできない存在になっていると言っても過言ではない、「ラッパー+トラックメイカー」のコンビ「LBとOtowa」
今曲は、その片割れ「Otowa(SKY-HI / One By Oneなど)」プロデュ―スによる『A-Oh』
歌詞中でも「Put your hands in the air!!」と繰り返し登場するように、世のパーティピーポーにも是非チェックして頂きたい、エッジの効いたアップチューンに仕上がっています。
作曲家「林ゆうき」氏のトラックを下敷きに、男女二人の複雑な恋模様を描いた『Coulda feat.ANMI』
今曲に至っては、彼の感情表現がかなり繊細に施されていて、今作で一番エモーショナルな歌い口になっているのではないでしょうか。
また、客演で参加している女性シンガー「ANMI」の歌声も、十二分な焦燥感を持っていて、今曲のバラッド性を高めていますね。
アルバム前半のアップチューンと比べると、かなり落ち着いた雰囲気はありますが、それでも今曲のようにしっとりと歌い上げる楽曲を後半に入れたということは、やはり"R&B"にルーツがあるのだろうと感じましたし、それを彼がしっかりと提示してくれているのだということにも気付きました。
「僕には何ができるか、何の為に歌うのか」と、迷走した過去も含め、これまでのシンガー人生で感じたことを、赤裸々に告白した『My Life』
そんな今曲、彼が以前、学校の教師をしながらアーティストを目指していた過去と照らし合わせ、ポジティブな歌詞に変換されているので、今、夢を追いかけている若者の背中を押してくれる"応援ソング"にもなっているのでは。
『Cry sour grape』に続き、「RESTiBTRAX」が手掛ける『Friday Night』をピックアップ。
いつにも増して仕事終わりの解放感がある金曜日の夜。
そんな夜に聴きたいのは、やはり心温まるラブソングですよね。少しばかり酸味のあるサウンドが、良い味付けになっていて聴きやすいです。
あの、世界的大ヒットナンバーを日本語リメイク!?『Special Secret』
アルバム全体を通しても、そのコミカルな演出は目を見張るものがありましたが、まさかこの曲を入れてくるとは・・・(笑) パーティピーポーは思わず「プチャヘンザ」したくなるかも。
<本人コメント>
本作で僕自身を少しでも知っていただけたら嬉しいです。細かいFUNが詰め込まれているので、ゲーム感覚でそれらを楽しんでください。これからも皆さんに感動はもちろん、楽しみも与えていきます。
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