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【Album Review】-<ELLIE / Heartone>-


Album Review


ELLIE - Heartone 


ELLIE : Heartone


ブラックミュージックの聖地アメリカでも大絶賛。
「本国顔負け」の歌声を持つ、新生代DIVA<ELLIE>が満を応じして全国にその名を轟かせてから、早1ヶ月。
本来ならば、2012年内にレビューを掲載したかったのですが・・・(遅くなり申し訳ないです)
このアルバムジャケットをご覧の通り、非常に美しい顔立ちの方ですが、このアルバム聴いてみればただ美しいだけのシンガーではないことが、はっきりと分かります。
"帰国子女"という肩書を持ちながら、2010年12月にデジタルリリースしたデビューシングル『Sugar X'mas/ BLACK $UGAR』で、その甘美(官能的)な歌声と、卓越した歌唱力で日本語R&Bというシーンの中でも既に頭角を現していた彼女ですが、今作の自身1st Albumでの攻めっぷりが凄い。
それもそのはず、このアルバムがただの序章とかそういう部類には全く属していないからだと、個人的に感じたまでです。
分かり易く言うならば、"彼女の音楽的バイタリティ、ポテンシャル"等がこのアルバムにギュッと濃縮されているからかなと。
今作のアルバム『Heartone』を彩る9曲の楽曲達ですが、リードシングルであり僕もこのアルバムで一番お気に入りの『たった一度だけ』を筆頭に、90年代を彷彿させるサウンド構成の『Brighter Day』ニュージャックスウィング調の『Ringin'On Me feat. GIPPER』そして、ハウスリミックスのカヴァー曲『I Wish Wasn't』等々...全体に渡って素晴らしい七変化を魅せてくれているのですよね。いやはやこれこそが、本来の"才色兼備"と言うものなのでしょうか。
それは器用貧乏と勘違いされる方がいるかもしれませんが、あくまでリファインされたスタイルがあるこそ、多種多様な楽曲にも応用ができるのはないかと僕は思います。
個人的に、このアルバムのそういった意欲的な部分も好きですし、それ故に抱く彼女に対する期待値"もかなり高いです。だからこそ、このアルバムで魅せてくれた「オールラウンド」な彼女の音楽性をこれからも大切にして頂きたいなと思いました。今後の動向にも、目が離せませんね。



1: Heartone
2: たった一度だけ
3: Brighter Day
4: Again
5: Ringin'On Me feat. GIPPER
6: Interlude
7: Still
8: 240日
9: I Wish Wasn't

Velvet Groove-KSR 2012 11/21

Heartone(2012/11/21)
ELLIE

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Pick Up Review




2. った一度だけ



今作『Heartone』のリードシングルとして昨年9月にデジタルリリースされた、"たった一度だけ"
リリースと同時に、iTunes R&B/Soulチャートでは上位に食い込む勢いを見せた今曲ですが、今曲の魅力を一つ挙げるとするならば、やはりエレガントな雰囲気漂うメロディラインでしょうか。
この楽曲のタイトルから連想できる楽曲って結構、「焦燥感溢れる感じなのかな」と思ったりしがちなのですが、そういった僕の中のイメージとはかなり異なったサウンドだったことにまず、驚いた次第です。
勿論、バラードナンバーになっているのは間違いないので、情緒的な要素は各所に織り込まれているのですが「焦燥感」というよりかは、その人自身の人間味(温かみ)が感じ取れる楽曲だなと、感じたのですよね。
それもこれも、彼女の持つポテンシャルや人となりなのでしょうが(セルフプロデュースという意味でも)。
これまでにデジタルリリースされてきたシングルの『Black $ugar』ですとか、昨年夏にリリースされた『Glitter』を聴く感じでは、どうしても"官能的"なイメージがあったんです。サウンド面でも、歌詞そのものも。だから、今曲がリードシングルとしてリリースされたことにビックリしたと同時に、彼女の優雅な音楽性にかなり惹き込まれた自分がいます。言わずもがな、官能的な楽曲が悪いというわけではなく、今曲をリードシングルに持ってきたということは、それ相応の彼女の音楽性が投影された楽曲にするでしょうし、それだからこそ彼女の魅力が今曲にグッと押し出されていると言いますか。
また、楽曲後半でのエモーショナルなフェイクにとにかくビックリした次第です。



3. Brighter Day



リズム感のあるビートが心地よい『Brighter Day』
90年代マナーのサウンドを彷彿させるサウンドに仕上げているのは、今やR&B界だけに留まらず、HIPHOP界でも活躍を魅せている「Tiny Voice」所属の「Sunny Boy」によるもの。
清涼感溢れるサウンドに加え、「ELLIE」本来の持ち味でもある"透き通った"歌声が見事なまでにマッチングしていて、特にブリッジ部分の"伸び"は目を見張るものがあります。
POPにクロスオーバーし過ぎないところがまた良いですね。



4. Again

アルバム中盤を飾るのは、本格派スロウバラード『Again』
歌詞自体はセンシティブなものですが、それでも終始、厚いコーラスを重ねてくるとこがまた彼女の濃い人情味を引き出していて良い。
また、セルフプロデュースで制作したことが功を奏したのか、自身の色(例えるなら白といったところだろうか)がはっきりと滲み出ていて、ここまでの楽曲然り、地に足をつけたような安定感も伺えます。



5. Ringin'On Me feat. GIPPER

ウェッサイシーンが誇るベテラン勢の一人として数えられ、ELLIEと同レーベル所属のラッパー「GIPPER」を迎えた『Ringin'On Me feat. GIPPER』
なんと今曲、まさかの"ニュージャックスウィング調"にサウンドがアレンジされていて、彼女のオールラウンドぶりにそれは感心させられたのであります。
また、フィーチャリングで参加の「GIPPER」ですが、今曲でもお得意とするアバンチュールな雰囲気漂う歌詞と歌い回しが炸裂。さらに言うならば、「重ねるLINE、スタンプはハートしかいらない」という彼のラップ部分だけ見ても、「GIPPERらしいな」と思う方もいるのではないでしょうか。(笑)
それだけ個性豊かな二人がタッグを組んでいるので、勿論今アルバムの中でも他に引けを劣らず、存在感ばっちり。
さすがニュージャックスウィング調ということで、家でゆっくり(Chillin')しながら聴いても楽しめそうです。



7. Still

美しいピアノ音にそっと寄り添うような彼女の歌声が、温厚なサウンドを演出している『Still』
大衆向けのポプュラリティ溢れる構成になっているものの、時折見せる力強い歌声から感じ取れるように「切歯扼腕」した彼女のエモーショナルな思いがブリッジやフェイクに表れていて、まるで壮大な恋愛観をそのまま描写しているようです。
さらに言及するならば、その手のドラマ主題歌に選ばれてもおかしくないですよね・・・。



9. I Wish Wasn't

「Heather Headley」が2002年に放ったヒットナンバー『I Wish Wasn't』を大胆にもハウスリミックスでカヴァーしたのが、今曲。
テンポ良く進んでいく楽曲に、イントロから既にノリノリになってしまいますが、何よりここまでスムースに聴かせてくれるのは彼女のおかげ。英語歌詞にも全く屈することない滑らかな歌声が今曲の注目点だと思われます。
また言うならば、渡米の経験が明らかに表れているのも、今曲が一番分かり易いかもしれません。
普段、ハウスと区切られた音楽をあまり聴くことがないのですが、こういったアレンジメントだととても聴きやすいですね。
アルバムのエピローグということもあってか、非常にリラックスしたムードを演出できているのではないでしょうか。



Biography

ブラックミュージックに魅了され、R&Bシンガーをなることを夢見て10代で単身渡米。
瞬く間に現地で話題になるやいなや、LAのクラブでシンガーとしてのキャリアをスタートさせる。
それと同時にレコーディングやソングライティングを学び、様々なアーティストのツアーに同行するなど、シンガーとしてのキャリアを確実に積んでいった。
その後、活動の拠点を日本に移し2010年デビューシングル『Sugar X'mas/ BLACK $UGAR』をデジタルリリース。このリリースがきっかけとなり、「Mr.Low-D」など国内アーティストのアルバムにも客演で参加している。そして2012年11月、待望の1st ALbum『Heartone』を全国リリースしたのが彼女「ELLIE」だ。日本語R&Bが持つあらゆる可能性を彼女に引き出してもらうと同時に、これからのシーンの活性に大きく影響を及ぼすであろう新生代DIVAに、期待せざるを得ない。 (Next Star Music)

ELLIE OFFICIAL SITE






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