『Album Review』-【Lugz&Jera / LUGZ&JERA】-
Lugz&Jera : LUGZ&JERA
日本が誇る、男性R&Bドリームチーム"Sugar Shack Family"の一員として、その名もすっかりお馴染みとなった"L&J"こと「Lugz&Jera」
以前、掲載した記事でも同じような表現で「"L&J"こと」と記載しましたが、やはりこの呼び名は、そろそろ咎められるべきではないかと思います。(僕自身が)
なんせ、L&JからLugz&Jeraにネーミングを変更したのが既に一年前。
大阪「NITEMEN」時代から、長年愛用していたネーミング「L&J」(※L&JはLagz,Jeraの略語)を、2012年早々に変更したのは、彼に何らかの決意たるものがあったからでしょうが、今回紹介する彼の1st EP『LUGZ&JERA』を通しても解るように、良い意味でそのスタイルはL&J時代からしっかりと継承されています。
その理由に、「NITEMEN」に所属していた大阪時代にリリースされ人気を博した、Street Mixtape『Hypnotic City』にも収録されている『Love Like A Melody』はLJ節全開の楽曲ですし、やはり今作にも収録されている「UTA(Tiny Voice)」氏プロデュ―スの名曲『Girlfriend』は、すっかり彼を代表する楽曲なんだなと実感しました。さらに、この上記2曲に至ってはリメイク版ということで、長年このMixtapeを愛聴しているファンも、新鮮味を持って聴くことができるのではないでしょうか。
その一方で、ポピュラリティ溢れる新曲「Memories」などは、彼独自のアレンジメントやメロディメイクがここぞとばかりに発揮されていて、またそれも彼の天性の一つかなとも思いました。
また昨年、Sugar Shack Family Release Party In Okayamaの開催と共にスタートさせたプロジェクト「Music Tribe」 等、裏方作業の方でも着々とキャリアを積みつつある彼。
そんな中リリースされた今作の1st EP『LUGZ&JERA』は、所謂ソロ"シンガー"としての確固たるスタイルを確立した「Lugz&Jera」: 第一章の幕開けを意味する作品となっているのです。
昨今の、音楽形態そのものの不偏化そして、これほどまでに多くの情報が流布する中で、日本語R&Bという枠組み一つをとっても、様々なスタイルのアーティストが存在するのは確かです。
しかしながら、こういった考え方を心得ているからこそ、今作の様な意匠に凝ったアルバムが完成したのだと思うし、彼のオリジナリティに対する意欲、天性のメロディメイクこそが、今作の価値を一気に押し上げているのはないかと僕は思いました。
1: Drive it
2: 逢いたくて~Stay with me~
3: Winter's Love
4: Love Like A Melody
5: Girlfriend
6: Memories
![]() | (2012/11/23) Lugz&Jera |
LUGZ STAR RECORDS 2012 11/23
<Album Review>
1. Drive it
まるで"水を得た魚"のように弾けるサウンドが特徴的な『Drive it』
アルバム序章ということもあってか、イレギュラーに攻め込んだダンスーチューンがアルバム全体への期待を一気に高めます。
LJらしいヴォ―カル加工も鮮やかに輝いて、今曲の光沢面にも上手く反映されています。
2. 逢いたくて~Stay with me~
Lugz&Jeraに改名後、初のお披露目曲となった今曲『逢いたくて~Stay with me~』
元々は、「自分用に制作した楽曲ではなく、それに自分には合わないサウンドだと思っていた」とリリース後に彼のブログに掲載されたセルフライナーノーツに書かれていますが、今曲こそ彼のスタイルそのものが投影された楽曲なのではないでしょうか。
それ故に、この曲が"新生Lugz&Jera"の第一弾シングルとしてリリースされたことにも納得。
ありそうでなかった、エターナルラブソングがここに完成です。
楽曲のブリッジこそ、しっかりと日本語歌詞が埋め込まれていますが、序盤の「I always think of you,babygirl」のループ部分は思いっきり口ずさんじゃいます。
そう考えると、デジタルのみでリリースされている今曲の英語ver.『Aitakute ~Stay with me~』でも披露されている英語曲、英語歌詞を歌っても全く違和感が無いんですよね。声質がそうなのか、発音が上手なのかは定かではないですが、今後こういった英語曲にチャレンジしてみるのも全然ありだと個人的に感じました。
3. Winter's Love
シンプルな作り(決してトラックが悪いというわけではないです)だけど、どこか"落ち着く"
そのような楽曲って、皆さんも少なからずご存知だと思うのですが、それを踏まえた上で今曲の特筆すべき部分は、やはり歌詞かなと。
ここまで、ポップにクロスオーバーした楽曲を制作しようと思うと、やはり作詞面でも芸達者な方しか書けないのではないでしょうか。それにおそらく、この曲は大衆性を完全に意識して制作されたと思うのですが、改めてジャケット内に記載してある歌詞を見ても、"伝えやすさ"を大切に作詞されているのが分かります。
故に、楽曲自体も非常にハートフルで、心温まりますし、冬を彩るバラードの一つとしてもかなり愛聴できるでしょう。
4. Love Like A Melody (Hypnotic City収録)
近年のR&Bシーンでも、ダンスミュージックに趣向を凝らした作品が多くなってきているなかで、この手のR&Bマナーに沿った官能的な楽曲はかなり貴重なもの。
かと言って、オープンマインドにし過ぎると変に噛み合わないものです。なのでUS R&Bを意識したと言うよりかは、これこそ日本らしい気品に溢れたR&Bサウンドなんだと彼が、呈示してくれています。
「Hypnotic City」をお持ちの方は、リメイク部分にも注目して聴いてみると、面白いかもしれませんね。
5. Girlfrined
ここまで、歌詞がストレートなラブソングがどれだけあるだろうか。
この曲も上に同じく、「Hypnotic City」に収録されていた『Sexy Love meets Girlfriend』のリメイク版なのですが、このタイトル通り、当時人気を博していた『Ne-Yo / Sexy Love』を下地敷いたものでしたよね。
また今曲は、実体験を元に制作されたとお聞きしたことがあるのですが、その影響もあってか楽曲後半に進むにつれて、彼の熱いが、エモーショナルに表現されているのが分かりますね。
今となっては、彼を代表する楽曲の一つになっていますが、こう改めて聴いてみると"男の正直な心境"が上手く表現されているなと実感。う~ん、名曲・・・。
6. Memories
いよいよ、アルバムもエピローグに近づいてきましたが、今アルバムをまとめるのは、6曲目の『Memories』
歌詞に、「散ってく花びらのように」とあるように、楽曲自体もセンシティブなものなのですが、それでも「君のために歌うよ」など、前向きになれるような情緒が滲み出ていて、"愛"という壮大たるテーマの中でも、しっかりした構成になっていますね。
また、センチメンタルなサウンドと並行して、淡い歌声が響き渡る仕様になっているのが、今曲のバラッド性をさらに高めているのでは。

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