<インタビュー> - 【HighT : Avenue】 -
HighT : Avenue × Next Star Music
和と洋のコラボ。
そんな大策を、シンガーキャリア一年で成し遂げた男がいる。
京都が生んだバイリンガルシンガー「HighT」だ。
何故故に、彼がキャリア一年でここまで成長し、CDリリースすることができたのか、それは後ほどのインタビューを参照してもらうとして、彼の日々の惜しみない努力"は誰にも否定することができないことは確かであるし、CDという形にして、その有りっ丈な思いをぶつけてきたことにも非常に共感を持てた。
さらに、現役大学生ということで、アグレッシブさは十分に本作でも堪能できるとともに、その初々しさも清々しくて気持ちが良い。
世間でよく、「大学生は自分で考えて、行動を起こすことが重要」などと言われるものだが、まさに彼はそれを実行してみせた学生の一人なのだろう。
そして、京都の大学生であるといった根本的な部分が、冒頭に挙げた「和と洋のコラボ」の"和"にあたることなども事前に説明しておこう。
まず、彼がレギュラーイベントで出演している「Breakthrogh6周年記念,HighTリリースライブ」へ向かい、会場でCDを渡された時に、アルバムジャケット、タイトルよりも目に付いたものがある。
それはCD帯に記載されていた「夢が目標に変わった時・・・」
勿論、これまでに数多くの帯を見てきたし、別に違和感の無い言葉なのだが、「夢が目標に変わったとき・・・」"それはどうなるんだと"と特に当てもなく考えてしまった次第である。
なにしろ、夢と目標というのはお察しの通り、全く別の解釈で捉えられているし、そこに辿り着くまでのステップアップの仕方も違う。
と、楽曲を聴く前に深入りしすぎだと野次が飛びそうなところだが、実際に彼の作品を聴いてその答えがわかったのだからあまり追求はしないで欲しい。
また、同じく現役大学生としても彼の見据えるヴィジョンとは何なのかと疑問を持ち、取材を決行することができたことは僕にとっても、良い経験になったと自負している。
お堅い話はさておき。
徳島出身、京都発のシンガーソングライター「HighT」だが、異色のバックグランドを持っている。
前述で述べた、シンガーキャリア一年に驚いた部分とはまさにこのことなのだが、なんとR&Bシンガーとして活動する以前はバンドのボーカリストとして中学から大学に至るまで活動してきたのだ。
そこから、バンド解散など、様々な理由はあるものの、彼のブラックミュージックに対する憧れそのものが彼をR&Bシンガーとして、ステージに立つことを必然的にさせたのだと僕は思う。
これが「和と洋のコラボ」の"洋"の部分にあたる。
勿論、R&Bシンガーとして活動するまでの葛藤や悩みも多かっただろう。
だが、それがこのアルバムタイトルを鮮明に表しているはことは間違いなく、その苦悩を乗り越えた時にこそ、「Avenue」という文字が見えるのだと語っている。
「夢が目標に変わる」までの、"4つのストーリー"をお聴きあれ。
● 1st Mini Album 「Avenue」のリリースおめでとうございます。
ありがとうございます。
● アーティスト名の呼び方は「ハイト(HighT)」でよろしかったですか?
はい、大丈夫です。
● このアルバムをご自身の言葉、一言で表すと?
アルバムのサブタイトルが「夢が目標に変わった時」なのですが。
● CDの帯に書かれているものですよね。
はい、まさにこのタイトル通りです。
● アルバム発売までの道のりは、長く感じましたか、それとも短く感じましたか?
丁度、一年前に所属事務所とCDをリリースする話があって、そこから一年間アルバム発売を目標に頑張ってきたのですが、 ほんとうに早く感じましたね。
● 現役大学生ということで、僕自身も親近感が湧くものがありました(笑)
そうですね。嬉しいことです。(笑)
● まさに大学生活の総括ということで?
大学生活の総括もですが、僕のこれまでの、音楽人生そのものが詰まったアルバムだと思います。
● 勿論、これが終わりではなく、始まりということですよね?
勿論。
● なるほど。同世代のシンガーさん達にも勇気を与える作品になっているのではないかと感じました。
僕が、シンガーとしてのキャリアがまだ一年であったり、同年代のシンガーさんの中でも、CDをリリースされる方があまりいないのが現状で。
そういう方達にも「一緒に頑張ろう!」って思って頂けたら幸いです。
● 少し経歴に迫っていきたいのですが、元々は徳島出身ということで。
はい、京都の大学に通うために徳島を離れました。
● R&Bシンガーを目指そうと思ったきっかけは?
小さい頃からブラックミュージックは好きだったのですが、音楽活動と言えば、中学生の頃 からバンドをやっていました。 それが丁度二年前、バンドが解散してしまったの機に、僕のルーツでもある「ブラック ミュージックに通ずる音楽活動をしてみよう」って思うようになったんです。
その頃、VOGさんとの出会いがあって、事務所との契約が決まって。全てのタイミングが上手く重なって、今R&Bシンガーとして活動できています。
● ブラックミュージックが好きなご両親の影響もあると聞いたのですが。
はい。母親が物凄くブラックミュージックが好きで、僕も影響を受けましたね。
● リリースするにあたってご両親も喜ばれているのではないですか?
そうですね。おかんは、徳島から毎回京都までライブを見に来てくれるんですよ。(笑)
● 尊敬しているアーティストさんはいらっしゃいますか?
挙げるとキリが無いのですが、小さい頃から憧れだったのは「Michael Jackson」「Justin Timberlake」「Usher」です。
その時期にダンスもやっていたので、特に彼らの影響は大きいですね
● ダンスもやられていたのですか!?
はい。
● では小さい頃から、音楽に触れあう機会が多かったと。
そうですね、恵まれていました。
● 京都で活動されているということで、メロディ自体にも和を感じるものが多い気がしたのですが、それでこそ歌詞自体は英語を織り交ぜたものが多いですよね。
音楽(ブラックミュージック)と並行して英語と触れ合う機会も多かったので、歌詞に 英語を織り交ぜるのは自然な流れでした。
作詞をする時にも、昔は全部英語でしたし、時折、英語歌詞を書いてから日本語に変換 したりするので。(笑)
● 高校時代に単身渡米した経験から、インスピレーションされているものがかなり多かったということでしょうか?
そうですね。高校生の時にLAに渡米したのですが、やはり日本とは”違う”と感じるものが多くて。それこそ、現地の人の雰囲気や周りの音楽は似ても似つかないですね。
でも、全てが僕にとっては新鮮で、かなり刺激を受けました。
● その時、もっとも印象に残った出来事は?
音楽には関係の無い話ですが、やはりアメリカは、拳銃等の武器を日常茶飯事に目にする機 会が多いので、そういうのを身近に目の当たりにした時は「日本に生まれて良かった」って思いましたね(笑)今、住ん でいる京都は本当に落着きがある場所ですし。
● 京都と言えば、レギュラーイベントBreakthroughに出演されていますが、このイベントを通して学んだことはありますか?
VOGさんもそうですが、メジャー、インディーズ問わず「音楽を通して、同じ目標に向かって頑 張っていこう」という方達ばかりが出演されるので、歌の面だけでなく音楽に対する真っ直ぐな姿勢といったものもしっ かりと学ばさせて頂いています。
● では、より一層京都への思いも強いということですね。
そうですね。アルバムジャケットも、京都の祇園をモチーフに作成しました。
● このイベントの主催者でもあるVOGさんも、4曲目でプロデュ―スなさっていますが、こちらはどういったコンセプトで?
Avenueは「目標達成への道」という意味があるのですが、僕がこれまでこのアルバムをリリースす る、所謂「目標達成」に辿りつくまでに、悩むことも多々あって「本当にこれでいいのかな」と悲観的になる時期 もありました。その時に助けてくれて、道を正してくれたのが僕の師匠でもあるVOGさんです。そこで「一緒に曲を作りたい!」と熱い思いで依頼して、完成した楽曲です。
"自分の信じた道を進めば夢は必ず叶う"と、このアルバムを通して証明したかったのと同時に、皆さんに、少しでも勇気を与えられる ものになれば良いなと思い作りました。
● アグレッシブさが解りやすく押し出されていて、個人的にかなり好きです。
ありがとうございます。この曲には僕もかなり思い入れがあるので嬉しいです。
● ではその思いから、これまでの活動を振り返って、アルバムタイトルになったのでしょうか?
その通りです。
● 2曲目の「For”Today”」は、アルバムジャケットを彷彿させるようなしっとりとしたラブソングですね。
この曲は歩さん(Funk On Hip)に作詞、作曲をして頂いたのですが、「僕をイメージして曲書いてください」という僕の 無茶ぶりに、期待を上回る”僕にマッチング”するものを作ってもらって、そこに僕が息を吹き込んで完成した「The R&B」な楽曲です。
● 1曲目「Pray For You」と3曲目の「Appreciation」はご自身で作曲されているということで。
「Play For You」はキャッチーで切ないR&Bを表現して完成した楽曲で、「Appreciation」は今回のアルバムをリリースするにあたって、出逢ってきた全ての人達へ向けた、言わば 「感謝」の楽曲です。作詞をしながら「音楽の力って凄いな」って改めて感じた作品で、これまでの素晴らしい仲間達との思い出を振り返って、僕が泣いてしまったという秘話もあり ます。(笑)
でも、感謝だけで終わってしまってはダメだと考えているので、そこから次の楽曲の「Avenue」に繋がっているわけです。
● ギターも弾かれるのですよね。多才で羨ましいです(笑)
いえいえ、とんでもないです(笑)
● ギターと言えば、別枠のオトノハネプロジェクトでもシンガーとして活動されていますが、こちらをスタートさせようと思った経緯は?
僕は京都産業大学に在籍しているのですが、音楽を通して”社会に貢献していきたいな”とふと考えた時があって、そんな時に同じ思いを持った、大学仲間と出会ったのがキッカケ で結成したのが、この「オトノハネ」です。そこから共通の友人を介して集まったのが、今のメンバーですね。
● 具体的な活動内容はどういったものでしょうか?
まずは、僕たちのことをしてもらうためにYouTubeでチャンネルを開設し、動画を配信しています。
そこから皆さんと音楽を通して、ジャンルや世代関係無く、繋がっていくことを目標に活動 しています。
● こちらはソロとまた違ったアプローチになっていますよね。それこそ前述に挙げたギターで、演奏されたりだとか。
はい。まずは、"わかりやすい" "伝わりやすい"という名目を大前提に「様々なジャンル、世代」を巻き込んで音楽そのものを皆さんと共有したいという僕らの思いと、その一環で、僕らが今、重きを置いてる「地域活性化」という意味合いも含めて、地元の歌なども歌うよ うにしていますね。
ソロ時の「自分の好きな音楽」とはまた一線を置いています。
● その点で今作のアルバムは、しっかりR&Bを誇示したものになっていますね。 ソロ活動時との意識の違いはあったりするのでしょか?
勿論、各自のソロ活動の上でのプラスαとして「オトノハネ」の活動があるのですが、今のオトノハネに関しては、ややこしい話は全て伏せて僕らの力で「音楽(曲)そのものを 広げる」また、「人との繋がりを広げる」ということを中心に活動しています。ソロはどうしても「自分の歌を聞い てほしい」「CDを売って生活をしたい」という考え方は常に頭に残ってしまうので、その点での根本的な考え方は やはり全く変わってきますよね。
● では、もし一日にソロシンガー「HighT」としての活動、オトノハネのシンガーとしての活動が重なっても、上手くスイッチは切り 替えられますか?
どちらもスタイルも考え方も違うので、スイッチを切り替えることも大切ですが、あくまで ソロシンガー「HighT」としての延長線上に、オトノハネでの活動があるので、本質的なところはぶれないと思い ます。
● どちらも音楽に対する思いは変わらないと。
はい、そうです。
● ブログ等を拝見させて頂いているのですが・・・
あーいろいろと恥ずかしいです。(笑)
● (笑)アルバム制作からリリースまで非常にタイトだったようですね。リリースするにあたり最も苦労したことは?
バンドを結成していた時は「作詞・作曲・編曲」までほとんど自分で行っていたのですが、 このアルバムを制作する過程の中で、トラックメーカーさんやエンジニアさんと制作する時の”音楽の価値観”の違いが、時々僕には大きなギャップになっていて「どうしたらえんやろ」って悩む時期も 多々ありました。音楽の好みや感性ってほんとに人によって全然違うんやなーって思いました。
ですが、そういう方達と制作することによってまた新たな世界であったり、自分の求めているビジョンが見えてくるので、今では本当に良かったなって思っています。
● 今作はミニアルバムということで、非常にコンパクトに楽曲が収められていますよね。
はい。一年前、CDをリリースすることが決まった時に、4曲くらいが余裕をもって完成させられる域だと思ったので、一曲一曲に時間をかけて制作し ました。
● 確かに一曲一曲をきちんと熟考して、制作されたんだなと感じました。
そうですね。一曲一曲どれも、色合いが全然違うものになっていると思います。
● また、アルバム全体を通して、楽曲タイトルや歌詞の内容から「感謝」を表しているものが多いと感じました。
本当にこの「感謝」という二文字が、実はこのアルバムを通して一番伝えたいことなんです。
巷では「Avenue,Avenue!」って言っていても、やっぱり自分は心の中では「ありがとう(涙)」って。(笑)
なんだかんだ言って、“人ありきの自分”なんで。
● また、R&Bに対するこだわりも感じたのですが、誰にも譲られないこだわり等はありますでしょうか?
こだわりってものでもないですが、やはりこれまで、ずっと英語歌詞で楽曲を作ってきた ので、実は日本語歌詞で歌うのは今回のアルバムが初めてだったりします。
● バンド活動時もそうだったのですか?
はい。なので、今作のアルバムでも英語歌詞は絶対的に残しておきたかったですね。
● では、日本語歌詞と英語歌詞の、伝え方の違いって何だと思いますか?
例えば、極端な話をすると、日本語で「愛している」って言うのと、英語で「I Love You」って言うのでは、全然入り込みやすさが違うじゃないですか。日本語だと余計な感情や、日本語そのものの言葉の重みを感じてしまうんです。僕だけかもしれないですが・・・(笑)
それを踏まえたうえで、僕には英語歌詞の方がしっくりくるんですよね。
● 今、一番感謝を伝えたい方は?
僕のアルバムをリリースするきっかけを作ってくださった「VOG」さん。
そして、オトノハネプロジェクトで一緒に代表を務めてくれているメンバーの「川野航」です。
この二人無しでは、今僕はこうやって音楽活動を続けていられないと思います。あとはブレ イクスルーの皆、オトノハネの皆ですね。本当に大切な仲間達です。
● 今後の目標は?
今年はとにかくアルバムのプロモーションを頑張っていきたいです。
京都を超えて、地元徳島まで、僕の音楽を届けれることができればいいなと思っています。
大きな目標としては、「人に影響を与えることができる人」になれるように、人間としてもっともっと日々成長していきたいですね。
● 最後に、ご覧頂いている方へのメッセージをよろしくお願いいたします。
「夢を夢で終わらせないでください」というのが今一番言いたいことです。
● インタビューは以上です。ありがとうございました。
1st Mini Album 「Avenue」Trailer
1: Pray For You
2: For"Today"
3: Appreciation
4: Avenue
![]() | AVENUE (2012/08/29) HighT 商品詳細を見る |
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