『Album Review』 -【Jeff Bernat / The Gentleman Approach】-
Jeff Bernat / The Gentleman Approach
Urban Next プロデューサーでお馴染みのR&B界のキーパーソン「西崎信太郎」氏とStar Base Music等のレーベルも抱える老舗「P-Vine Records」との熱い協力プロジェクトが遂に始動。
国内にR&Bを根付かせるべくスタートした『Big Tix』。
その第一弾アーティストとして国内に放たれた大型新人は「Jeff Bernat」
近年、世界で活躍する「Stevie Hoang」「Aziatix」に続くアジア系の注目シンガーだ。
昨年、デジタルアルバムとしてリリースした『The Gentleman Approach』が初登場ながらもUS I-Tunes(R&B/Soul)チャートで5位を獲得。
国内では勿論、世界でも無名に近かった彼が何故今「話題」になっているのか。
それは、ただの「流行り」や「ノリが良い」音楽だからといった軽いものではない。
理由を挙げるならまず、彼の独自の音楽性だろうか。
ゆったりとしたソウルチックなサウンドがメロウな世界観をこれでもかというくらいに演出している。
そこに彼の語りかけるような歌声、そして優しいラップがなんともお洒落。
単調にバラードやムーディーな楽曲を歌を歌うわけではなく、日常的な些細な幸せを等身大の自分で表現している。
一日中通して聴いても、必ずそのシチュエーションに合った楽曲が見つかるアルバムとはこれのことだろうか。
いや、そう納得せざる負えない。
正直に言うと「インパクト性」の部分では特に目立つ楽曲もないのかもしれないが、案外それは彼がこのアルバムタイトルから求めたように「ジェントルマン」というテーマに沿っているからだと思われる。
そして、彼が描く音楽性にはリスナーに対する「誠実さ」「愛」がしっかりと念頭にあって、音楽を通しての「優しさ」が私たちにとっても非常に受け取りやすい内容になっているからなのだ。
これだけジャンルが分散的になりつつあるR&B/Soulのシーンにおいても、メロウな世界観を創り出す現在のシーン中では、彼の右へでるものはいないのではないか。
まだ弱冠22歳ということだが、いちアーティストとしての表現方法を既に得ている彼だけに、これからもぶれることなく素晴らしい音楽を届けてくれることに違いない。
アルバムを通して一種の空間作りになるのもさることながら、彼のサウンドセンスには頭が上がらない・・・。
(Tracklist)
1: Bonjour(Intro)
2: Cool Girls
3: Just Vibe
4: Doesn't Matter
5: My Dear
6: Ms.Seductive
7: Girl At The Coffee Shop
8: If You Wonder
9: Call You Mine feat. Geologic(From Blue Scholars)
10: Groovin'
11: Moonlight Chemistry
12: With Love feat. Mosaek
発売元 Big Tix / P-Vine Records 2012 6/6
2. Cool Girls
トラックから既にアーバン感が全開。
少々ジャズ要素も取り入れながら、ソウルネスな彼の優しいラップが絡む。
アルバムタイトル通り、「ジェントルマン」を思わせる出だしに納得です。
3. Just Vibe
リズミカルなポップサウンドが心身ともに癒してくれる。
些細な日常に、彼が息を吹き込むことで瞬く間にメルヘンチックで壮大な世界へ。
5. My Dear
80,90年代のソウルを連想させるかのような穏やかで心地の良い一曲。
彼のシルキーな歌声に思わずうっとりしてしまう、まさに大人の一曲といったところでしょうか。
6. Ms.Seductive
こちらもかなり完成度の高い生音構成(?)がより一層、彼のセンセーショナルな表現を引き出しています。
強くバラード調にするわけでもなく、彼の描く「メロウ」な世界観が鮮明に表れている一曲。
7. Girl At The Coffee Shop
このアルバムの中で「テーマ」が他の楽曲よりも、しっかりとしていて語りかけるような彼の歌声は常に一歩先にある。
しかし、強引さは全く無く完璧なまでの「レディファ―スト」を演出。
コーヒーの「ビター」なイメージとスウィートなサウンドが上手く融合しています。
8. If You Wonder
Billie Holiday / On The Sentimental Sideの冒頭をサンプリングしたこちらの楽曲。
先駆者に尊敬の意を払いながらも、彼らしく綺麗なピアノ音に身を任せ見事な空間を作り出しています。
レストランやカフェ等で流れていたら思わずテンションが上がっちゃいますね。
9. Call You Mine feat. Geologic(From Blue Scholars)
このアルバム一番の目玉曲!
後半になっても一向に姿勢を崩すことのない彼ですが、この楽曲はその意志の強さ故に彼の「メロウ」な表現方法が、存分に発揮されているのでは。
10. Groovin'
どこか良き年代のサウンド感じさせながらも、サビで魅せるフィーリングの良さはさすがのところ。
クールでありながらスムースさも兼ね備えた爽快チューン。
11. Moonlight Chemistry
夜の月明かりが照らすように、そっと彼の歌声が包み込んでくれます。
声の響かせ方に変化を加えたことによって、より甘い楽曲構成になっているのでは。
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(Biography)
ネバダ出身、フィリピン系アメリカ人のシンガーソングライター。
Stevie Wonder等のカヴァー動画をYou Tube上にアップし、高再生回数を記録。
2010年にはカヴァ―動画だけを収めたEP『Covers』を無料配信。
この活動が注目を集める、起爆剤となったかのように人気を博し、翌年2011年に12月にはデジタルアルバム『The Gentleman Approach』をリリース。
iTunesのR&B/Soulチャートでは無名の新人ながらも、Trey Songz等に続く堂々の5位にランクイン。
今、本国アメリカを初め世界で話題となっている彼が「Urban Next」でお馴染みの西崎信太郎氏によって発掘される。
満応じして、6月6日「Bix Tix / P-Vine Records」の第一弾アーティストとして国内デビュー。
ジャケットから感じられる清楚感や誠実感はそのまま楽曲に反映されていて、尚且つメロウの定義がしっかりしていることから今、日本でも話題の新人だ。
弱冠22歳の彼が放つ「センセーショナル」で「オルタナティブ」なアルバムは、1stにして既に方向性が定まっているかのようだ。
まさにこれからのシーンを担う次世代アーティストになるだろう。
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